コード開発スタート

 ずばり今年の私の研究目標は新しい一般相対論的磁気流体力学(GRMHD)コードの開発である。これは今の職を採用されるに当たって課せられた仕事でもある。そしてボスが一番して欲しい研究でもあるのだ。

 昨年の間。私はいろいろと他グループの状況を調べたり、計算方法の関連論文を読んだりして、どうやって今のコードを元に新しいコードを作るかの方向性をまとめていた。そして今年に入り、ついに実際にコードを開発するところに踏み切ったのだ。

 コードの開発には大きく10個程度の開発ポイントがある。その中でも私が一番気になっていたところからまず始めた。実は昨年末、イリノイ大のグループがこの部分に関する計算手法について興味ある論文を出した。彼らは大きく6つの計算手法を使い、どの計算方法がもっとも良いかというのを調べたのだ。ただ、我々の使っているコードと彼らの使っているコードとは基礎方程式の段階で若干異なっている。そのため彼らの論点が我々のもっているコードでも当てはまるのかは分からないが、調べてみる価値はありそうだと思ったのが一つのきっかけだった。

 今のコードの開発者である小出さんも指摘していたが、この部分を修正すればうまく行けば今のコードの持っている問題点をかなり解決できるのではと考えていた…。

 が、今のところあまり大きな改善は見られなかったんだな。結局同じ状況で計算が破綻してしまっているのだ。

 まぁ、まだ一つの方法しか試していたので一概に結論付けはできないが、我々のコード持っている問題点はもっと根本的なところにあるのかもしれない。